だから言ったのに

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庭の片隅で小さな南瓜を見つけた。
ああ、以前家庭菜園をやった時の残りか。こんな所にまで伸びていたんだ…
食べるには小さすぎるそれを刈り取ろうとすると「育ててみたい!」と息子が言った。
南瓜を育てるのはそんなに難しくない。けど…本当に良いの?
「うん。僕南瓜大好きだから。ねえ、大きく育ったらこの南瓜で煮物作ってよ!」
一抹の不安を抱えながらも私は頷いた。
それから息子は南瓜に毎日気を配っては大切に育てた。カボちゃん、なんて名前も付けて大事に大事に育てた。
その甲斐もあって、南瓜は見事な大きさとなった。
軽く叩くといい音が返ってくる。今が食べ頃だ。
早速収穫しようとすると「やめて!カボちゃんがかわいそう!」と息子が止める。
思った通り、大切にし過ぎて愛着が湧いてしまったようだ。
だから言ったのに…
何とか息子を説得し、南瓜で煮物を作ってあげた。
「美味しいけど…涙の味がする…」と息子は答えた。
公開:21/04/24 21:06

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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