おせっかいなパンチングマシーン

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ストレスのたまっていた俺はゲームセンターのパンチングマシンの前に立っていた。
俺は渾身の力を込めてパンチを放った。
バコンッ!
さて、点数はどんなもんかな?
「それで気は済んだか?」
「何!?」
「お前のパンチは激しい怒りに燃えていた。だが、その裏には本当に言いたいことを言えない悔しさ、つい相手に卑屈になってしまう自分自身への怒りをも感じた」
「お前、俺のパンチひとつでそんなことまでわかるのか?」
「フッわかるさ。今までどれだけ多くのパンチを受け止めてきたと思う?」
「なるほどな。俺はどうすれば…」
「自分を情けないとは思わないのか?言葉を話せない物体なら殴れるのに。お前が本当に殴るべき相手は…他にいるんじゃないのか?」
「うるさい!それができれば俺は…!」
「俺は何だ…!」
「俺は、俺は…そうか!俺は逃げずにアイツと戦わなきゃいけなかったんだ!」
「心は決まったようだな」
「ありがとよ」
その他
公開:21/04/24 21:01

水素カフェ( 東京 )

 

最近は小説以外にもお絵描きやゲームシナリオの執筆など創作の幅を広げており、相対的にSS投稿が遅くなっております。…スミマセン。
あれやこれやとやりたいことが多すぎて大変です…。

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