多重露光(チェインエクスプロージャー)

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人って一人では生きられないって言うじゃないですか。僕が言うと陳腐になってしまうかもしれませんが、それぞれに生活や人生、もっと言えばストーリーがあって、写真は、時が経ってもその物語を記録できるという部分に無性にドラマを感じるんです。

多重露光という手法は特別な手法ではないんですが、僕がその手法を好んで用いるのは、実はある写真がきっかけだったんです。

この錆びたカメラ、祖父のなんです。フィルムがまだ生きていて…はい。不思議な写真ですよね。曇り空、大樹、時代も性別も違う人々の笑顔や、中には目を瞑った泣き顔も重なり合って一枚になっていて。世界って、当たり前なんですけど、繋がっているんだなって。一時期は祖父のカメラ売っちゃってたので…。若気の至りです。祖父の古い友人のお孫さんが持って現れるなんて。僕もまさかその方と結婚するとは夢にも思いませんでしたけどね。

ある若手写真家のインタビューより
その他
公開:21/04/24 12:38
更新:21/04/24 12:42
壊れたカメラシリーズ最終回 多重露光 フィルムなどに複数の露光を行い 重ねて撮像させる手法

空津 歩( 東京在住 )

空津 歩です。

新シリーズ「人喰い病院」はじまりました。

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マイペースに描いていきたいです!

SSG1周年!

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