日常チャーハン事

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私の日常
それは他人から見れば「非日常」なのかもしれない。

ああ、申し遅れた。私は売れない小説家である。
自分で「売れない」と枕詞を付けている時点で無性に悲しくなる。
私は30歳の頃、小説家になろうと一念発起し、勤めていた会社を辞め、この仕事に就いた。就いた?のか?自分で書いた小説が全く売れていないのだから今のところは無職とも言える。

ある作家は言った。
「君の小説はありきたりだね。誰かのモノマネかな?」
そう言われても先人の作家が重箱の隅から隅まで掘り下げ、井戸が湧けば、それをも小説にしてしまうこの状況で私は何を題材にして小説を書けばいいのだろうか。私は自分なりに思い悩み、決心した。

「日常を捨てよう」

聞けば、非日常の娯楽を大衆は求めているらしい。
それならばと私は戦場や闇の世界に足を踏み入れた。
こうして試行錯誤した結果、私の腕は格段に上がった。
小説ではなく料理の腕が。
公開:21/04/21 09:46
更新:21/04/21 10:43

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