カツ屋

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住宅地を抜けると、水たまりの残る狭い路地に明かりが見えた。
年季の入った藍色の暖簾には「カツ」の文字。
路地には、カツの匂いが漂っていた。

ここの店主はカツも揚げるが、他に何でもあげられるという能力を持つことで、裏社会では有名な人物だ。
金を積めば株をあげ、女を貢げば業績をあげてくれた。
そういう俺も、このおっちゃんに世話になっている人間の一人だ。
今日も、カツを食べに来たと見せかけて、最近不調な株をあげてもらいに来たのだ。
暖簾を潜ろうとした時、俺を押しのけて入店した奴らがいた。
「いてえな、この野郎…」
『警察だ!ここの店主はどこにいる?』
俺ははっとして、物陰に隠れた。やばい、店主の悪行がバレたに違いない。芋づる式に俺が捕まるのも時間の問題だろう。

物陰から覗いて、俺はほっとしたと同時に呆れ返った。
なんと、店主は中学生にカツアゲしていた事がバレてお縄についたようなのだ。
ファンタジー
公開:21/04/22 20:42

かさ( 愛媛 )

来年以降のいきかたが決まりましたヽ(=´▽`=)ノ

コメント読んだりお返事したりするのはとても好きなので、気楽にコメントいただけると嬉しいです。

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