ザ・ティーチャー

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孤児だった私は「マザー」に育てられた。
安心できる家と温かな食事が与えられた。
おかげで十分な教育を受けることができ、私は大人になってから小学校の教員として務めはじめた。
勤続二十年、すっかり昔のことが色褪せてきた頃だった。
突然あの「マザー」から連絡が来た。
「ビリー、来週あなたの務める小学校に大統領が視察訪問します。あなたの使命を伝えます。この意味がわかりますね?」
「はい」
「大統領の殺害ーー。それがあなたの使命です。誰よりも特別なあなたにこの使命を託します。愛してますよ、ビリー」
電話が切れた。
生まれて初めて知った。
私は何のために生まれ、育てられたのかーー。

私は警察に出頭した。
自分は大統領暗殺を目論むテロ組織から洗脳教育を受けた危険分子だと。
だが幼少期の思い出よりも二十年間の教師生活を、私は裏切ることができなかったのだ。
今の私が最も愛するのは私の生徒たちだ。
その他
公開:21/08/02 10:16

水素カフェ( 東京 )

 

最近は小説以外にもお絵描きやゲームシナリオの執筆など創作の幅を広げており、相対的にSS投稿が遅くなっております。…スミマセン。
あれやこれやとやりたいことが多すぎて大変です…。

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