幽霊部員
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貞夫は幽霊部員だ。彼は自分が死んでいる事に気付いていない。周りの部員達が、お前は死んだんだと、諭しても聞く耳を持たなかった。そして、3ヶ月が経った頃には、もう誰も貞夫を諭す者はいなくなった。最初こそ、死んだはずの貞夫が、血だらけで首も普通じゃない方向に曲がりながらも、なに食わぬ顔で部活に参加した時は皆、少し引いていた。と言うより、かなりパニックになった。しかし、貞夫の、いつもと変わらぬ態度に、皆、少しずつ慣れていった。そんな、ある夏の日、有名な除霊師を親に持つ転校生が現れる。そして、貞夫を見るなり「あの子、幽霊じゃね?」と言い放った。部員たちに緊張が走る。どうやって貞夫を守るか?真夏の少年達の熱い攻防戦が、始まろうとしていた。
青春
公開:21/08/02 09:34
時折、頭をかすめる妄想のカケラを集めて、少しずつ短いお話を書いています。コメントは励みになります。
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