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「さあ、競技開始です!」
実況の声にスタジアムから大歓声が湧き起こる。
「まずは三毛猫選手!しなやかな尾の動きだ。見事な感情表現にいきなりの高得点!」
スクリーンに誇らしげな三毛猫の姿が映る。続いて登場した孔雀が鮮やかな羽を広げると、観客が一斉にどよめいた。
「何と美しい…いや、これはキジ陣営からチャレンジが!…広げた羽は純粋な尾羽ではない?さあビデオ判定は…ファウル!失格です」
飛び交う怒号の中、突然フィールドのプールからイルカが高く飛び上がった。
「頂点でボールを打ち返した!これは高い技術点が期待できます!」
沸き返る客席の片隅に、羨ましそうな顔をした一団がいた。ヒトと類人猿のグループだ。
「俺ら尻尾ないからなあ」
「全くだ。参加すらできないよ」
ヒトが傍らの柴犬の頭を撫でた。
「いいよな、タロは尻尾があって」
柴犬はキョトンとした顔で飼い主を見上げると、ぱたぱたとその巻き尾を振った。
実況の声にスタジアムから大歓声が湧き起こる。
「まずは三毛猫選手!しなやかな尾の動きだ。見事な感情表現にいきなりの高得点!」
スクリーンに誇らしげな三毛猫の姿が映る。続いて登場した孔雀が鮮やかな羽を広げると、観客が一斉にどよめいた。
「何と美しい…いや、これはキジ陣営からチャレンジが!…広げた羽は純粋な尾羽ではない?さあビデオ判定は…ファウル!失格です」
飛び交う怒号の中、突然フィールドのプールからイルカが高く飛び上がった。
「頂点でボールを打ち返した!これは高い技術点が期待できます!」
沸き返る客席の片隅に、羨ましそうな顔をした一団がいた。ヒトと類人猿のグループだ。
「俺ら尻尾ないからなあ」
「全くだ。参加すらできないよ」
ヒトが傍らの柴犬の頭を撫でた。
「いいよな、タロは尻尾があって」
柴犬はキョトンとした顔で飼い主を見上げると、ぱたぱたとその巻き尾を振った。
その他
公開:21/07/30 18:08
更新:21/07/30 22:21
更新:21/07/30 22:21
gonsukeさん
鳥ンピックに倣って
ゴリラ
オランウータン
チンパンジー
などの類人猿や
コアラなどは出場不可
人間も尻尾ほしいな(笑)
#128
2019年11月、SSGの庭師となりました
現在は主にnoteと公募でSS~長編を書いています
留守ばかりですみません
【活動歴】
・東京新聞300文字小説 優秀賞
・『第二回日本おいしい小説大賞』最終候補(小学館)
・note×Panasonic「思い込みが変わったこと」コンテスト 企業賞
・SSマガジン『ベリショーズ』掲載
(Kindle無料配信中)
【近況】
第31回やまなし文学賞 佳作→ 作品集として書籍化(Amazonにて販売中)
小布施『本をつくるプロジェクト』優秀賞
【note】
https://note.com/akishiba_note
【Twitter】
https://twitter.com/CNecozo
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