ガラスの小瓶

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研究室からガラスの小瓶が盗まれた。慌てふためく私を周りは冷ややかな目で見つめる。小瓶如きで何を…と囁かれる。
違う。あれは小瓶ではない。中に時間を留めておける不老不死の装置だ。コールドスリープの先を見据えた装置を誰かに盗まれた。
犯人に心当たりはある。恋人の白馬だ。あの人なら私の研究データを盗める。
さすがに複製は出来ないだろうが…あの男が不老不死になって何をしでかすか不安だった。
そして私はこの騒ぎで海底研究所へと左遷された。

それから十数年が経ったある日、白馬そっくりの男が研究所にやってきた。
浜辺で迷子になっていた私の孫娘のカメを保護してくれたと言う。
私は男をもてなした。その間、部下に男の家を探ってくるよう命じた。
戻ってきた部下の報告を聞き確信する。あの男は白馬だ。
私は部下から盗まれた装置を受け取り、破壊すると箱の中に入れた。
そして浦島と名乗る男に玉手箱と言って渡した。
SF
公開:21/07/31 19:50
白馬(しらうま) アナグラム 浦島(うらしま)

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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