ミニトマト栽培

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一週間前、右肩にできた吹き出物は、今や立派なミニトマトを実らせた。
一日中布団に寝てばかりいる初老の独り身を、先日食べたミニトマトは、ほどよい養分だと思ったらしい。

赤く瑞々しい果実は、私の血潮を吸って実をつけ、私を誇らしい気持ちにさせた。
枯れ果てた我が身が、何かに必要とされている。子もいない身ながら、後世に残すものがあると感じさせる。

しかし問題は、彼が成長するにつれ、枯れたこの身では養分が不足しているように思えることであった。

そこで私は思いつく、とっておきの方法があるではないか。
雑草の如く彼から養分を奪っている私自身を枯らしてしまえば良い。

すぐさま私はホームセンターに行き、除草剤を買ってきた。
薄い日差しの差し込むアパートの窓際でそれを飲み干し、心地よい酩酊とともに横たわった。
右肩には赤く潰れた吹き出物が見えていた。
ホラー
公開:21/07/31 17:31

短太郎(たんたろう)

徒然と書いてゆく所存です。
3日に1話ぐらいの投稿ペース目指して頑張ろうと思っています。
文章練習兼ねていますので、厳しいお言葉から優しい褒め言葉まで、反応いただけると嬉しいです。

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