要注意ですね

「要注意ですね」
ウチの愛猫の様子がおかしい事に気付き、動物病院へと連れてきた。あれこれ調べた結果、先生は私に一言、簡単にそう告げた。
「この子、相当高齢ですよね？」
「はい。もう２０歳は越えています」
「だったら、覚悟しておいた方がいいよ」
そう言って先生はレントゲンの写真を私に見せてきた。
これまでは健康診断に引っかかっても「様子を見て行きましょう」「大丈夫でしたね」の繰り返しだった。
だから、ウチの子は大丈夫なんだって油断していた。
「ここ、しっぽの付け根。二又に分かれかけています。歳も歳なのでこの子、立派な猫又になりますよ」
歳経た猫は妖力を持つと聞いた事あるが、まさかウチの子が猫又になりかけているなんて…
「どうします？猫又化を止める薬もありますが？」
私は首を横に振った。この子となら、猫又になっても上手くやっていけるだろう。
「その方がいいでしょう…大切にしてあげてください」