ガラスの小瓶

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裏山で山菜を集めているとイタチがいた。そのイタチは2本の足で立ち、人間のようにめそめそ泣いている。
「どうしたの?」
声をかけるとイタチは真っ赤な目で私を見上げ、足元を指さした。小さな壺が割れ、液状のものが流れ出ている。
私は鞄からガラスの小瓶を取り出すと壺の中身をかき集め、その中に入れた。
「はい。もう落としちゃダメだよ」
宝物だったけど、この子にあげよう。
瓶を差し出すとイタチは恐る恐る受け取り、お礼をするように頭を下げ山へと戻って行った。
ふと、私の手を見る。あかぎれと擦り傷にまみれた両手が綺麗に治っていた。

「それはかまいたちじゃな」
祖父が教えてくれた。
「かまいたちはな、人を躓かせる役と鎌で切りつける役と傷口から血が流れないよう薬を塗る役の3匹で行動しておる。お前さん、末っ子かまいたちを助けたんじゃな」
通りで…と縁側を見やる祖父。
綺麗に刈り取られた山菜が置かれてあった。
ファンタジー
公開:21/07/27 20:27

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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