1.始まりの場所

0
1

姉が死んだという手紙が来た。送り主の名前はない。手紙には地図が同封してあった。小さな町の奥にひっそりと住んでいたらしい。姉は十九歳の時に結婚して家を出た。私が八歳の時だった。それ以来姉とは一度も会っていない。父親は早くに死に、母は姉が家を出た後、認知症を発症し施設に入った。一人になった私も孤児院に入った。
あれから十一年経った今、私は、孤児院にさよならを告げ、一人暮らしを始めた。人生で初めてもらった手紙は姉の死を告げる不吉なものだった。
ファンタジー
公開:21/07/25 22:07

きらきらのべる

読書が趣味で、自分でも書いてみたいなと思い始めました。
マイペースに投稿、どうぞよろしくお願いします。

コメントはありません

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容