大罪を犯す
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恐ろしかった、幸せを失うことを。
恐ろしかった、その光があることが。
だったら、いっそのこと目を瞑って
気づかないふりをしてしまおう。と
誰もが望む幸せを私は手放した。
差し伸べられる手さえ、「今更、助からない」と吐き捨てて。
私は湖の底で踊っていたのだ。
光も届かず、誰にも見つけられないところで。
夏も冬も一人で、ずっと。
けれど、春だけは違った。
恐れた光は新緑が柔らかくしてくれる。
私は春の陽気にきっと当てられたんだ。
この時を待っていたかのように。
恐ろしい夢を見て怯える私に、
「大丈夫」
そう優しく笑う君が下した手を、
私は取ってしまう。
恐ろしかった、その光があることが。
だったら、いっそのこと目を瞑って
気づかないふりをしてしまおう。と
誰もが望む幸せを私は手放した。
差し伸べられる手さえ、「今更、助からない」と吐き捨てて。
私は湖の底で踊っていたのだ。
光も届かず、誰にも見つけられないところで。
夏も冬も一人で、ずっと。
けれど、春だけは違った。
恐れた光は新緑が柔らかくしてくれる。
私は春の陽気にきっと当てられたんだ。
この時を待っていたかのように。
恐ろしい夢を見て怯える私に、
「大丈夫」
そう優しく笑う君が下した手を、
私は取ってしまう。
その他
公開:21/07/25 17:29
更新:21/07/25 17:30
更新:21/07/25 17:30
長い物語の中の短い独白。
思い付きで書いたもの。
ここでも書いてます
note
https://note.com/umina1043/
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