大罪を犯す

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恐ろしかった、幸せを失うことを。
恐ろしかった、その光があることが。

だったら、いっそのこと目を瞑って
気づかないふりをしてしまおう。と

誰もが望む幸せを私は手放した。
差し伸べられる手さえ、「今更、助からない」と吐き捨てて。

私は湖の底で踊っていたのだ。
光も届かず、誰にも見つけられないところで。
夏も冬も一人で、ずっと。

けれど、春だけは違った。
恐れた光は新緑が柔らかくしてくれる。

私は春の陽気にきっと当てられたんだ。
この時を待っていたかのように。
恐ろしい夢を見て怯える私に、
「大丈夫」
そう優しく笑う君が下した手を、
私は取ってしまう。
その他
公開:21/07/25 17:29
更新:21/07/25 17:30

湖楠*

うみな と読みます。

思い付きで書いたものたち。
出来たら、昼の12時に投稿します。

タイトルは考えずに書いてるので特に意味はないはずです。
タイトル付けるのうまくなりたい。あと作品作りも。

Twitter(生きてないです)
https://twitter.com/m2_asx

ここでも書いてます(エッセイとか)
note
https://note.com/umina1043/
 

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