渦潮電流

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遊覧船から鳴門海峡の渦潮を眺めていると、ガイドらしきひとが話しかけてきた。
「これからの時代、この渦潮は単なる観光名所ではありません。
潮の流れによる海洋エネルギーと、IH調理器で使われている渦電流とを組み合わせた「渦潮電流」を作り出します。渦潮電流は、地産地消の再生可能エネルギーで、膨大な潜在量があります。
そこで、渦潮電流が発生する海上にレストランをオープンし、地元の新鮮な海の幸が食べられるようにします。
レストランを運営するのが「渦潮電力」という会社で、戦国時代に織田信長軍を撃退するなど活躍した村上水軍の末裔が社長を務めています。村上水軍は、瀬戸内海を熟知しており、渦潮の流れも把握しています。同社は、村上水軍が発祥した愛媛に本社を置いています。
レストランの名物も、渦潮電流で煮立てて作る魚介類たっぷりの海賊鍋にする予定です。
どうしてそんなに詳しいかって、私は渦潮の水神なんです」
SF
公開:21/07/25 07:02
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山田衆三( 東京 )

1975年奈良県生駒市生まれ。奈良市で育つ。同志社大学経済学部卒業、慶応義塾大学大学院政策・メディア研究科修了。
田丸雅智先生の作品に衝撃を受け、通勤中や休日などで創作活動に励む。
『ショートショートガーデン』で初めて自作「ネコカー」(2019年6月13日)を発表。
読んでくださった方の琴線に触れるような作品を紡ぎだすことが目標。
2022年3月26日に日本近代文学館で行われた『ショートショート朗読ライブ』にて自作「寝溜め袋」「仕掛け絵本」「大輪の虹列車」が採用される。

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