名も無き花の話

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私はふと道端に咲く一輪の花を見つけた。
その花はビルとビルの間でひっそりと咲いていた。
白い花だった。道路の白線の中からニョキニョキと茎を伸ばしていたのでよく見なければ分からかっただろう。
私はその花に見覚えがあった。
私が小学生だった頃、友人と道端でよく見かけた花だった。
私はその花の上を駆け回り、鬼ごっこやサッカーをしていた記憶がある。
今、思い返してみると我ながらなんて残酷な事をしていたんだろうと思う。
私は急にこの花に罪滅ぼしをしたくなった。
私は考えた。
どうすればこの道端に咲く花に日の光を当ててあげられるだろうか。
しばらく思案した結果、私は閃いた。
この花をスマホで撮って世界中に広めてあげよう。
その夜、私はネットに写真を拡散した。
翌朝、私が目覚めるとその花は世界中で話題になっていた。
その花はなんと新種の花だったのである。
これが名も無き花の名付け親になった私の話である。
公開:21/07/26 15:33

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