尊い我が子の輪廻転生

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第二次世界大戦が終結した頃。広島と長崎に落ちた原爆は、森羅万象を含め、多くの命を消した。
「では次の者の、輪廻転生を行います」
目の前に、赤子の入った棺が運ばれてくる。
その母親の女性は、静かに傍で黙祷していた。まだ、三歳にもなっていないのに。なぜ私より先に、この世を去らなければならないの。
「生まれ変わるんじゃよ」
突然、声が聞こえる。
『誰?』
「わしじゃ。この寺を支えとる、大黒柱じゃ」
仏壇のりんが、チーンと鳴った。「ほれ、目を開けるでない」
『まさか。ほんとに?』
彼女は、輪廻転生の話など、インチキだと思っていた。
「ほんとじゃよ。お前さんの子以外にも、周りの物に転生した者はたくさんおる。まあ、ほとんどのやつは信じとらんがな。お。お前さんの子は、可愛らしい石になるようじゃぞ」
彼女は、その時の想いを詩に綴った。
やがて、それは国家となったが、内容は未だに、比喩として解釈されている。
ファンタジー
公開:21/07/23 21:18

藤崎正(セカンドオニオン)

2021年2月に、物語を考えるのが好きで始めました。
もしよければ、コメント残して頂けると嬉しいです。よろしくお願いします。

追記:2021.11.14 名前を『藤崎正』(フジサキショウ)に改名しました。一応分かりずらいと思うので、旧名(セカンドオニオン)は、付け足しで残しておこうと思います。


物語.com https://monogatary.com/user_page/story/f73e9d0f-3f97-11ec-81c5-0242ac120002

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