木を一本食べる刑

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まず、葉を全て食べることから始めた。
葉をむしっては口に入れ、むしっては口に入れる。青臭い香りが鼻を刺す。

枝を折り、奥歯で食らいつく。何度も何度も咀嚼し、やっとのことで萎びた枝を無理やり飲み込む。

木の皮を剥ぎ取り、大口を開けてかじりつく。繊維が硬く、なかなか噛み切ることができない。細かなささくれが突き刺さり、舌が荒れ、歯茎から血が出る。

禿げ上がった丸太をノコギリで切り分けていく。できるだけ細かく、サイコロ状にしたら口に入れ、一息に飲み込む。喉を鋭い痛みが襲う。

毎日、酷い便秘と腹痛に苦しむ。目から涙が流れ、意識が朦朧とする。それでも、木片を口に入れ続ける。ノコギリについた木粉も余すことなく、水と一緒に流し込む。


どれだけの時間が経ったのだろう。倒れ込みながら、最後の一欠片を飲み込んだその時、かちゃりと音がして、牢の鍵が開いた。
ホラー
公開:21/07/23 21:09

リンムー( 東京 )

大学生
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