無人駅にて

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『おろしてください…』
無人駅にて一人でいるとそんな声が聞こえてくる。辺りを見回す。誰もいない…だが視線を上げると首つり状態の幽霊がいて、こちらをじっと見下ろしている…
なんて、怪談話を友人から聞かされた帰り道の駅。本当に『おろしてください…』と声が聞こえてきた。
上を見る。何もない。しかし声は聞こえる。だから私は言ってやった。
「おろさないよ。この子は私一人でも絶対に育ててみせる」
私の妊娠が発覚するや否や彼氏は逃げた。それもあり私は両親から出産を反対されている。「生まれてくる子を不幸にする気か!」と。勝手に決めつけるな!私はこの子と絶対に幸せになってみせる!

数か月後。友人から無人駅の幽霊がいなくなったと聞かされた。何でだろう?と首を傾げている。
「自分でおりたんじゃない」
私は両腕に抱く二人の我が子をあやしながら言った。
死産の可能性が高いと言われていた方の子も無事に産んでやれた。
公開:21/07/23 20:47

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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