味がない

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「味がない」
そう呟く声。

一体、何の事だろうか。
料理のことだろうか、調味料を足し忘れた?


「こんなんじゃ何も面白くない」
「だってあなたとの関係が一向に進まないですもの、いつになったら会いに来てくれるの?」

彼女しかいないはずの部屋ではっきりと声が響く。


ドキッとした。
だって、彼女に盗聴していることがバレているのだから。


――こんなんじゃ味が出ないや。
その他
公開:21/07/23 12:15

umina*

長い物語の中の短い独白。
思い付きで書いたもの。

ここでも書いてます
note
https://note.com/umina1043/
 

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