廃虚の村

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映画を見ていた。異国の広い山麓地域にモノトーンの埃っぽい村。爆撃狙撃の音が響くと砂埃が舞い上がる。コンクリート、石、木の素朴な建物の半分は壊れて、そこにまた爆撃。教会らしい尖塔が真ん中から折れて崩れた。住人は少ないが壊された建物から何人かが走る。壁の影に入って反撃の銃を撃つ。航空機が街路に沿って爆撃して効率的に建物を壊してゆく。逃げる住人を追って焼夷弾を花火のように撃つとそれを合図のように数機の航空機は上空へ去っていった。
映画はそこまで。画面が消えて部屋が明るくなる。見ていたのは俺たち八名。今から俺たちはそれぞれの機に乗って山麓の村に飛んでゆく。そして映画の通りの手順で攻撃するのが任務である。昔は無人飛行機でやったものだが、無人機はロボット兵士につながると批判があり今では人間が搭乗する。ロボット兵士でもいいんじゃないかと俺は思いながら、自分の機に乗る。そしてこれから映画を再現する。
その他
公開:21/07/24 11:13

たちばな( 東京 )

2020年2月24日から参加しています。
タイトル画像では自作のペインティング、ドローイング、コラージュなどをみていただいています。
よろしくお願いします。

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