夏期補習

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汗を制服に滲ませながら登校する夏期前期補習。
アスファルトの反射する熱が靴底を焼く。
やっと到着した教室にて、数学教師が配る夏期休暇課題を見て苦笑する。
配られたのは、中にえげつない量の演習問題を詰め込みつつも、涼し気な顔をした冊子だ。
両表紙に、砂浜とビーチサンダルの写真がカラー印刷されており、数学教師の「どうにかして取り組ませよう」という意志が伺える。
期末テストの講評に、実力考査の範囲指定、追加の課題プリント…
窓からの直射日光に思わず目を閉じた途端、僕は砂浜に立っていた。
地面から立ち上る熱気が汗を呼び、潮の香りが鼻を突く。
ああ、潮の香りって、海からじゃなくて砂浜から立っているんだ、と発見した瞬間、誰かの投げたビーチボールが頬を打った。
「痛って」
起き上がると、僕に向かってチョークを投げた後であろうフォームの先生が目に入った。
窓の外ではただ、セミがうるさく鳴いていた。
ファンタジー
公開:21/07/22 08:54
gonsukeさん 秋田柴子さん 水素カフェさん 空津歩さん などなど 夏の白昼夢 参考にさせていただきました!

かさ( 愛媛 )

来年以降のいきかたが決まりましたヽ(=´▽`=)ノ

コメント読んだりお返事したりするのはとても好きなので、気楽にコメントいただけると嬉しいです。

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