0
1
「もしかして本来の持ち主ですか?」
「相変わらず察しいいわね」
「蜂の工芸品といえば、ほぼ決まってますから」
確かにそうだな。正確には、その少年の父親こそが真の持ち主な訳だが。
「それで、蒼猫は?」
乗り出すように問う記者に、主人は口から答えを絞り出した。
「逃げられた」
「わん」
「出入口は見張ってたはずじゃ?」
確かに表側はそうだが。
「路地裏側に窓があった。そこから出て、俺たちをやり過ごしたんだ」
「何か痕跡が?」
その質問に、主人は自分のデスクからその痕跡を取り出した。
「これが引っ掛かってた」
それは、白黒模様の尻尾だった。勿論本物ではない。
「衣装を置いていったんですか?」
「置き土産さ」
「わん」
「そうかしら?慌てて出ようとして引っかけちゃったんじゃないの?」
「やらら~」
お師匠とミスコさんが笑い合うが、主人は険しい表情を一瞬浮かべると、その後の話を続けた。
「相変わらず察しいいわね」
「蜂の工芸品といえば、ほぼ決まってますから」
確かにそうだな。正確には、その少年の父親こそが真の持ち主な訳だが。
「それで、蒼猫は?」
乗り出すように問う記者に、主人は口から答えを絞り出した。
「逃げられた」
「わん」
「出入口は見張ってたはずじゃ?」
確かに表側はそうだが。
「路地裏側に窓があった。そこから出て、俺たちをやり過ごしたんだ」
「何か痕跡が?」
その質問に、主人は自分のデスクからその痕跡を取り出した。
「これが引っ掛かってた」
それは、白黒模様の尻尾だった。勿論本物ではない。
「衣装を置いていったんですか?」
「置き土産さ」
「わん」
「そうかしら?慌てて出ようとして引っかけちゃったんじゃないの?」
「やらら~」
お師匠とミスコさんが笑い合うが、主人は険しい表情を一瞬浮かべると、その後の話を続けた。
ファンタジー
公開:21/07/19 19:49
連載
ファンタジー
怪盗
探偵
犬
猫
まずは、こんにちは。
練馬区で活動中の、趣味の絵描きです。
小説・脚本なども執筆してます。
【番号なし】 用語・設定解説
【Ⅰ】 連載作品『WonDer BroS』 探偵と怪盗の対決が娯楽化した世界での物語。
【Ⅱ】 短編連作『Story Of Dri(P)Party』
【Ⅲ】 連載作品『根源悪の牧場』 戦争による差別と弾圧に支配された世界での物語。
【Ⅳ】 連載作品『ドライワンダーに遣う』
【001~】 短篇集『short TaleS』
コメントはありません
ログインするとコメントを投稿できます