おもち屋さん

もちが好きだ。店で売っているのを見つけると、正月でなくても買ってしまう。
磯部焼き、お雑煮、お汁粉。
いくらでも食べられてしまうから不思議だ。

そんな私が、最近1番気に入っているもちがある。

「…そうなの？可愛い～！」

電話で、友人と子供の話をしている。友人の子は3歳で、甘え盛り。色々なエピソードを聞いていると、大変微笑ましい。
けれど、そんな時に必ず現れるおもち屋さんがいる。

「まぁま…」
「およ」
「まま！」

5歳の息子が抱き着いてきた。赤く染った頬を大きく膨らませて。

「まま！だっこお！」
「はいはい。…うん、うちの子がね。じゃあまた」

電話を切って息子を抱き上げる。膨らんだ頬をツンツンと叩くと、ぷすぅと息が抜けた。

「かぁわいいおもちは誰だぁ！？」
「きゃーーーー！！！」

ぱくりと頬を軽く食むと、大喜び。
目下一番のお気に入りのおもちです。