お節介な婿選び

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昔々、ある駐在員の家に年頃のかわいらしい一人娘がいた。両親は「娘には世界に通用する花婿を見つけてやらなくては」と思っていたので、ある日、アメリカ人を訪ねてこう言った。
「英語が話せるアメリカ人は素晴らしい。お宅の息子を婿にいただけないか」
「いやいや、世界で一番話されている言語は中国語だよ」
なるほど。二人は次に中国人に相談した。
「世界中でたくましく生きている中国人はすばらしい。お宅の息子を婿にいただけないか」
「いやいや、我が国は一人っ子政策なので大事な一人息子を日本には遣れない。代わりに香港の親戚なら紹介できるが」
なるほど。二人はその話に乗ることにした。
「中国語も英語も話せる香港人は素晴らしい。娘の婿になっていただけないか」
「私は日本語が話せない。それでも娘さんと仲良くなれるだろうか」
そう聞かれて二人は顔を見合わせた。日本語しか話せない娘のために一体、何をしていたのだろうと。
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公開:21/07/19 05:19
更新:21/07/19 05:35
結婚 国際結婚 グローバル人材

アカサカ・タカシ( Chicago )

2022年から米国シカゴ在住。

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