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子どもの頃によく遊んだ裏山。久しぶりに入る。古い小屋。秘密基地と呼んでいた小屋。まだ、あった。錆びた扉を開けて中に入る。すると突然大きな銅鑼の音。驚いて耳を塞ぐ。「ビックリした?」少年が聞いてくる。周りで見ていた他の子ども達は、ゲラゲラ笑っている。「大人をからかうんじゃない」と私が言うと皆、またゲラゲラ笑った。そして、1人の子どもが言った。「大人?笑わせるなよ。お前、どうみてもオレらより年下じゃねーか。」確かに変だ。目線が合わない。彼らは小学生の高学年くらい。なのに、皆、私より大きい。そうじゃない。私が小さいのだ。背が縮んでいた。「よーし、お前を子分にしてやろう。」リーダーらしき少年が言った。「ちょっと、待ってくれ。状況が飲み込めん。」私が言うと「なんだよ、状況が飲み込めんって。オッサンかよ。よーし。お前のあだ名が決定した。オッサンだ」思い出す。昔、オッサンってあだ名で呼ばれていた事を。
ファンタジー
公開:21/07/20 19:00

ソフトサラダ( 埼玉 )

時折、頭をかすめる妄想のカケラを集めて、少しずつ短いお話を書いています。コメントは励みになります。

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