不思議の部屋

駅前の賃貸物件のアパートの一室。まだ新しい建物で、最新の設備も揃っている。けれど、家賃はとても安い。不動産屋曰く、「出る」とのこと。つまり、事故物件というやつだ。
何でも、前に入った人達があまりに酷い目に遭う為安い価格で提供しているとか。
でも、上京したての私には他の部屋を選ぶ余裕など無い。私はその部屋を契約した。

不動産屋に言われた通り、入居したその日からおかしなことが起こり始めた。用意した夕飯が少し減ったり、お菓子が減ったり。酷い時はポルターガイストだろうか。ふわふわと家具が浮いている時もあった。
しかし、恐怖は無かった。
だって、私は。

「…はーーー！！！すっご！ちょっと写真撮らせて撮らせて！！！」

こういう不思議なことが大好きなのだから！

ポルターガイストが起こる度に写真をバシャバシャ撮りまくる私。
次第にポルターガイスト現象が私の要望に応えるようになっていった。