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若い男が無理やりに連れてこられる。目隠し、猿轡、手は後ろで縛られている。椅子に強制的に座らされる。蝶ネクタイをした別の男が、目隠しを外す。そして、「ルール説明!」と話し出す。若い男は呆気にとられる。蝶ネクタイの男はお構い無しに続ける。「あちらのビルが見えますか?約500メートル離れたあのビルの屋上にはプロのスナイパーがいて、あなたの頭を狙っています。彼の腕でもかなり難しい距離です。今から5分間、あなたが椅子から立たなければ賞金一億円です。さあ、やりますか?やりませんか?まあ、強制的にスタートですけどね。ハイ、スタート!!」若い男は一瞬、状況が飲み込めずキョロキョロと周りを見渡したが、その後、一目散に走って逃げ出した。「あー、残念!一億円獲得ならず!!」蝶ネクタイの男が叫ぶ。すると扉の奥から恰幅のいい老人が出てきた。「あー、やっぱりダメかー。また、君の勝ちだよ」「人間なんてそんなものですよ」
その他
公開:21/07/16 14:14

ソフトサラダ( 埼玉 )

時折、頭をかすめる妄想のカケラを集めて、少しずつ短いお話を書いています。コメントは励みになります。

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