晴れを待ち望んでいたものたち

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長雨がやっと終わりを迎えた。
太陽の光さす気持ちの良い朝。私は長靴を履いて外に出て、これまでの憂さを晴らすかのように水溜まりへと飛び込む。何度も踏みつける。水溜まりが汚くなれば次の水溜まりを探す。
隣のおばさんちの水溜まりに飛び込もうとして、「やめなさい!」って止められた…
おばさんは水溜まりを指さす。よ~く見るとそれは表面張力のようにこんもりと盛り上がっていた。
おばさんは水溜まりにタオルをかけた。タオルの下から手品のように何匹もの猫が現れた。どういう事?
「猫はね、液体でもあるの。この長雨で液体から中々猫に戻れない子だっているわ。水溜まりはね、むやみにふんじゃいけないの。それが猫溜まりだったら可哀想でしょ?」
こくんと頷く。水溜まりが猫で出来ている可能性なんて考えてもみなかった。
おばさんはタオルを拾い上げる。タオルの下にいた最後の一匹が濡れた体をブルブルする。猫の周りに虹が出来た。
公開:21/07/17 20:56

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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