燃焼実験
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「燃焼とは熱と光の発生を伴う酸化反応の事です」
参加者の胸の辺りからぼっと小さな赤い火が出た。その女性の周りで拍手が起こる。
「彼女の願いという熱に叶えたいという力、即ち光が差したわけです」
女性は隣の男性を真っ赤な顔で見た。
「これは皆さんに事前に飲んで頂いた薬です。これによって感情を具現化することに成功しました」
大きな拍手とフラッシュの渦に教授は笑顔で答えていた。
「では鎮火します」
「きゃっ」
助手が女性に消化剤をかけるとすっと火が消えた。
「本物の炎ではありませんので火事にはなりません。今後は燃え方や火の色、火の広がり方等から感情というものを探って行きたいと••••••」
その夜、教授の研究室が燃えた。
いき過ぎた教授への愛を燃やし過ぎてしまった助手が心中を図ったのだ。
教授は助手の愛を受け止め、ボヤで済んだのだが、周りは失笑のため息で溢れた。
参加者の胸の辺りからぼっと小さな赤い火が出た。その女性の周りで拍手が起こる。
「彼女の願いという熱に叶えたいという力、即ち光が差したわけです」
女性は隣の男性を真っ赤な顔で見た。
「これは皆さんに事前に飲んで頂いた薬です。これによって感情を具現化することに成功しました」
大きな拍手とフラッシュの渦に教授は笑顔で答えていた。
「では鎮火します」
「きゃっ」
助手が女性に消化剤をかけるとすっと火が消えた。
「本物の炎ではありませんので火事にはなりません。今後は燃え方や火の色、火の広がり方等から感情というものを探って行きたいと••••••」
その夜、教授の研究室が燃えた。
いき過ぎた教授への愛を燃やし過ぎてしまった助手が心中を図ったのだ。
教授は助手の愛を受け止め、ボヤで済んだのだが、周りは失笑のため息で溢れた。
ファンタジー
公開:21/07/17 19:14
更新:21/07/17 19:14
更新:21/07/17 19:14
怪しげな教授
実験
燃焼
射谷 友里(いてや ゆり)と申します
十年以上前に赤川仁洋さん運営のWeb総合文芸誌「文華」に同名で投稿していました。もう一度小説を書くことに挑戦したくなりこちらで修行中です。感想頂けると嬉しいです。宜しくお願いします。
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