深すぎる眠り

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連日、深夜までの残業、上司からの罵倒。
疲れ果てて家に着くと、ソファに倒れ込んだ。

ずっしりと体が沈み込んでいく。柔らかな感触が顔を包み込む。

シャワーを浴びなきゃ、と心の中で呟くが、瞼はもう張り付いて動かない。

身体がどんどん沈んでいく。ソファを突き抜け、床に落ちる。

床を突き抜け、コンクリートまで沈む。

起きようとする脳と、眠ろうとする身体がせめぎ合う。

ゆっくりと沈んでいく。
土を抜け、地殻を抜け、マントルを突き抜ける。

身体はもう固まって動かない。今までにない静寂に耳が安らぐ。
どこまでも沈んでいく。身体はもう、方向感覚を失っていた。


土の匂いに目を覚ます。
私は広い草原で寝ていた。

呆然としながら、ポケットに入っていたスマホを見る。

上司からの大量の不在着信。

マップを開く。赤いピンはブラジルを指している。

もうどうでも良くなって、私は再び眠りについた。
ファンタジー
公開:21/07/14 21:42

リンムー( 東京 )

大学生
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