逃亡犯

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罪を犯した俺は山中へ逃げた。
顔写真付きで指名手配されている。
街中は監視カメラだらけだ。
しばらくは山から下りることはできない。
都会の生活しか知らない俺は、サバイバルの知識などない。
水もねぐらも何とか見つけたが、食べ物が…
食えるのか、食えないのか、わからない。
美味そうなキノコがある。
毒キノコかもしれない。
食えば最悪死ぬだろう。
だが食わなければいずれ餓死する。
まず舐めてみようか。
俺はキノコを舐めて30分ほど待った。
寒気と不安に苛まれたが、何も起きない。
まだ油断はできない。
少しだけ齧ってみる。
全身から汗が噴き出た。
心臓がドクドクと鳴る。
あと何回こんなことを繰り返すのだ?
たとえ今が大丈夫でも、いずれ寄生虫や病原菌や毒キノコの餌食になるのは間違いない。
スズメ蜂も熊もいる。
こんな恐ろしい場所に居続けるなら、刑務所のほうがマシだ。
俺は山を下りて警察に自首した。
その他
公開:21/07/16 08:35

水素カフェ( 東京 )

 

最近は小説以外にもお絵描きやゲームシナリオの執筆など創作の幅を広げており、相対的にSS投稿が遅くなっております。…スミマセン。
あれやこれやとやりたいことが多すぎて大変です…。

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