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「見張っててくれ」
「わん」
わたしは警戒を強め、家の前に陣取る。主人が熊の像が付いたドアノックを叩くと二階からー
「開いてるよ」
という声がした。弱々しい少年の声のようだった。主人はゆっくりとドアを開け、中へと入る。わたしは変わらず見張りを続けたが、蒼猫は気配すら現れず、静まり返った迷宮を改めて見回すと、今が盗縛劇の真っ最中であるとは信じがたくも思えてきた。
「ニール。来てくれ」
今度は主人の声が二階から聞こえてきた。緊張のほどけた声にわたしは一抹の不安を抱いた。緊張を維持しながらわたしは、ドアの隙間から家の中へと入った。灯りは付いておらず、小さな窓から射し込む光でかろうじて奥に階段が見えた。二階へと伸びる主人の痕跡を追い、わたしは狭くうねった階段を静かに上がった。
二階は細い通路と3つの部屋があり、その内のひとつに主人がいた。その傍らには、ベッドに腰掛ける熊亜種の少年がいた。
「わん」
わたしは警戒を強め、家の前に陣取る。主人が熊の像が付いたドアノックを叩くと二階からー
「開いてるよ」
という声がした。弱々しい少年の声のようだった。主人はゆっくりとドアを開け、中へと入る。わたしは変わらず見張りを続けたが、蒼猫は気配すら現れず、静まり返った迷宮を改めて見回すと、今が盗縛劇の真っ最中であるとは信じがたくも思えてきた。
「ニール。来てくれ」
今度は主人の声が二階から聞こえてきた。緊張のほどけた声にわたしは一抹の不安を抱いた。緊張を維持しながらわたしは、ドアの隙間から家の中へと入った。灯りは付いておらず、小さな窓から射し込む光でかろうじて奥に階段が見えた。二階へと伸びる主人の痕跡を追い、わたしは狭くうねった階段を静かに上がった。
二階は細い通路と3つの部屋があり、その内のひとつに主人がいた。その傍らには、ベッドに腰掛ける熊亜種の少年がいた。
ファンタジー
公開:21/07/15 22:00
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連載
怪盗
探偵
犬
猫
まずは、こんにちは。
練馬区で活動中の、趣味の絵描きです。
小説・脚本なども執筆してます。
【番号なし】 用語・設定解説
【Ⅰ】 連載作品『WonDer BroS』 探偵と怪盗の対決が娯楽化した世界での物語。
【Ⅱ】 短編連作『Story Of Dri(P)Party』
【Ⅲ】 連載作品『根源悪の牧場』 戦争による差別と弾圧に支配された世界での物語。
【Ⅳ】 連載作品『ドライワンダーに遣う』
【001~】 短篇集『short TaleS』
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