全自動手動サポート装置

0
2

工場機械見本市で一際活気あるブースがあった。
実演場には大型機械があり一人の職人が模範操作をしている最中で皆食い入る様に見ていた。
複雑な操作盤の操作しないといけない部位が青色で発光し
その次に操作しないといけない部位が白色で発行する。
すると職人はその発光部位を順番に操作するだけでよい仕組みだ。
職人にマイクが向けられる。
「実はこの機械を触るのは今日が初めてです。が熟練工の気分が味わえます」
一人の経営者がプレゼン担当者を呼び止めた。

3ヶ月後
新システムを導入した工場は活気に溢れていた。
経営者と工場長はソレを眺めながら
「これで少しは解決しそうか?」
「そうですね。時間を忘れて忙しくしているので一定の効果はありそうです」
全自動にし過ぎたが故に労働組合からやりがいが感じられないとクレームが上がったのは寝耳に水だった。
2人は逆行したシステム『SHITEL-KAN』のロゴを眺める。
SF
公開:21/07/15 11:39

吉田図工( 日本 )

まずは自分が楽しむこと。

コメントはありません

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容