【三輪車】さくさくスナック小説

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夏休みの課題。
僕は思い出の三輪車を描く事にした。
大切な思い出が詰まった物だったから、線画はするする描けた。

後は色塗りをするだけ。
そこまで来て、僕の動きは止まる。



あれ?三輪車はどんな色だったかしら?




どんなに考えても、思い出せない。
従兄弟にあげてしまってから、だいぶ経つ。思い出せなくても仕方がない。
描きたかったけど、仕方がない。
胸の奥で何がキュッと泣いた。
その鳴き声を、深い溜め息と一緒に口から出す。

やり直しだ。

僕は、三輪車の描かれた画用紙をぐしゃぐしゃっと丸めて捨てると、自転車の写真を撮りに部屋を出た。
その他
公開:21/07/11 14:43

ちろもっち( YouTube、Twitter、Reality )

ちろもっちと申します!(元クローバー)趣味で朗読がしたく、短編小説を書き始め、小説投稿サイトを探していたら辿り着きました。不束者ではございますが、宜しくお願い致します(*ᴗˬᴗ)⁾⁾ペコ

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