いたちごっこのその果ては

18
8

公に発言する立場の人を対象とした『失言税』なるものが制定された。
主に地位の高い人たちによる無責任な発言が相次ぎ、社会を混乱させる事態が頻発したためだ。

だが事態は何も改善しなかった。
発言した当人が「あれは失言ではない」と釈明するからだ。
そこで今度は『釈明税』が制定された。
だがそれでも事態は改善しなかった。
今度は「聞く人に誤解を与えた」と主張するからだ。
当然の如く、次は『誤解税』が制定された。
すると発言側は、いつ何時でも「適切に対処します」としか言わなくなった。
これには国民も困り果てた。「適切に対処」自体は悪いことではないし、何がどう適切なのかを国民が判断する術はなかったからだ。

「このままじゃ店はやってけねえ」
度重なる不可思議な『お願い』に対して、憤りに溢れた店主たちは一斉に立ち上がり、各々店先に貼り紙をした。
「今回の要請に対し、当店では適切に対処しております」
その他
公開:21/07/10 22:15
更新:21/07/10 22:18
ちょっとブラック過ぎる?(汗) この話はフィクションであり 実在の人物・事象等とは 一切関係ありません(笑) #125

秋田柴子

2019年11月、SSGの庭師となりました
現在は主にnote・TALES・公募でSS~長編を書いています
留守ばかりですみません

【活動歴】
・第2回 日本おいしい小説大賞 最終候補(小学館)
・第31回やまなし文学賞 佳作『雨を知るもの』
・創作大賞2025 入選 『栗と牡丹』
・SSアンソロジー『ベリショーズ』寄稿
・ホラーアンソロジー『ウタ・カタ』寄稿

【刊行】
・第31回やまなし文学賞受賞作品集(山梨日日新聞社)
・栗は月色、こがね色 和菓子処長月堂(朝日文庫)
 

【note】
 https://note.com/akishiba_note

【Twitter】
 https://twitter.com/CNecozo

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容