黒い噂のある先輩

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会社の飲み会で先輩が部長のグラスに何か入れているのを見た。
部長は気付かずそれを飲み、腹を押さえて「ちょっとトイレに…」と席を立った。もしかして先輩…毒でも盛ったんじゃないだろうか?先輩、飛ぶ薬を持っているって噂を聞くからなぁ…
僕の視線に気づき、ニヤリと笑う先輩。僕の隣に来て「見てた?」と言って錠剤を見せてきた。
「それ、何ですか?」
「下剤だよ」
「下剤!?じゃあ部長今頃…」
「いやいや。そっちの下剤じゃない。これは財布の金秘を解消する為の薬さ」
「金秘?」
「財布の便秘の事をそう呼ぶんだ。部長、俺らに一切奢ってくれないだろう?だから今日は部長に奢らせようと思ってね。…ほら、見てみろ。財布持って戻ってきただろ。さっきまで赤かった顔が若干青くなっている。あの財布も薄くなったと思わないか?」
言われてみれば…そんな気がする。
「さ、今日はいつもの腹いせに部長の財布の金を飛ばそうぜ!」
公開:21/07/12 20:36

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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