物静かな野本さん

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風邪で学校を休んだ野本さんの家に僕はプリントを届けに行った。
「ありがとう、寺田くん」
「いいよ、近所だし」
「うん」
野本さんはとても物静か。
ピーピーと鳥の鳴き声がした。
「あれ、鳥飼ってるの?」
「うん、セキセイインコのピーちゃん」
「見てもいい?」
「え!?…う、うん」
僕は彼女の部屋に入れてもらった。
インコが騒いでる。
「ピピ…寺田くん好き!寺田くん大好き!」
ピーちゃんの言葉に野本さんが真っ赤になった。
「はわわ!何言ってるの、ピーちゃん!ちちち、違うの!誤解だよ?」
かまわずピーちゃんはしゃべり続ける。
「愛して!ああん、寺田くんちゅき!大ちゅきだよー!寺田く〜ん♪」
茹で上ったように真っ赤な野本さんの前で、いたずらっ子なインコが愉快そうに踊っている。
「僕も愛してるよ、野本さん!」
僕が野本さんを抱き寄せて告白すると、インコの動きがピタリと止まった。
「ええええ!!??」
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公開:21/07/08 13:02

水素カフェ( 東京 )

 

最近は小説以外にもお絵描きやゲームシナリオの執筆など創作の幅を広げており、相対的にSS投稿が遅くなっております。…スミマセン。
あれやこれやとやりたいことが多すぎて大変です…。

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