あしたば

観光地として、知る人ぞ知る島。
グランピングができると知り東京から船に乗って８時間の場所にあった。
予約サイトは満室が多かったが、きてみたらほとんど観光客はいなかった。
一泊のテントの夜があけ、島に数軒しかないお土産店へ向かった。レンタル自転車を降り、扉を開けようとするが閉まっている。横には青いTシャツをきたおじいさんが佇んでいた。僕を見るなり無言で、身体で謝罪を表しているようだ。
「あの、あしたばっていう植物が有名って聞いたんですけど」
「よく知ってるね、あしたばはこの島にゃどこにだって生えてるよ。」　
あしたば茶、あしたばそば、うどん。様々なものにあしたばが使われているようだ。
「あしたばってどうしてあしたばって言うんですかね」
「ああ、生命力が強くてあしたにゃすぐ生えるから明日葉とかいうやつがいるが、ほんとは、足を食べる葉で足食葉ゆうんだよ。昨日もぎょうさん人がおったのになあ」