ゲーム脳

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第一ステージの舞台は銀行。
強盗役の俺は、持っている銃で人質や職員を撃ちながら金を奪う。
そういうゲームだ。
ドン、ドン、と連続で弾を人の頭に撃ち込んでいく。
悲鳴も、人も、やけにリアルだな。

第二ステージは、警察のパトカーとカーチェイス。
公道を用意してた車で走りまくる。
何人か轢いた気がするが、そういうゲームだ。
まるで映画を見ているようだ。
人とぶつかる感触も、ハンドルを握る感覚も、凄くリアルだ。

第三ステージは、警察とのバトルだ。
俺の武器は銃。警察も、銃を持っている。
西部劇のようでテンションが上がる。
そういうゲームだ。
ドン、と音がして、警察の一人が倒れた。けれど、俺も攻撃をくらってしまった。
腹が痛い。血が止まらない。
視界が歪む。立っていられない。

ああ、ここでゲームオーバーか。



「…はい。強盗犯射殺しました。警官一人が撃たれて重症です」
その他
公開:21/07/10 13:18

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