AI会社

人間関係や上下関係に感情も絡み、組織体として機能不全に陥り、これ以上の会社存続は困難と判断された。
会社は直ちに解散され、社長以下全職員は退職となった。
その後、CEOを含め職員全員が、AIによる新組織体として発足した。
会社運営は一切の感情・私情を挟まず、市場を分析し数値化された完全なデータベースを基に戦略も決定された。それに伴うコストも算出され、超合理的運営がされた。
暫くは業績も順調に伸びたが、ある時点から市場分析データとリアル消費者動向が合わなくなり、AI予測数値は尽く不発に終わった。
この事態を招いた原因を議論するも社内会議では分からず、企業コンサルト会社に調査を依頼した。
原因は人員を全てAIに入れ替えた事から、合理的行動のみに依存した運営が行われ、本来の人間の持つ感情、見栄、プライド、曖昧さ等から生じる購入意識の変化分析について行けず、大きな誤りがあることが判明した。