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朽ちかけた家の一室、窓ガラスはあちこち割れていて、冷たい風が吹き抜けてゆく、天井は破れ二階の床板や棚や椅子が、下に斜めに落ちている。
その部屋の向こうの廊下の先に、縁の欠けた汚い小便器が見える。
俺は、ギシバキ鳴る床を歩いて行き、額の脂汗をシャツの袖で拭い、用を足そうとズボンのチャックに手を触れた瞬間、何故か分からないが火柱が次々に上がり部屋中があっという間に火の海となる!
ジリリリリリリリリリリリリリリリリリリ!!!!!
大きな音で警報器が鳴り響く!
ジリリリリリリリリリリリリリリリリリリ!!!!!
鳴り止まぬ警報器!!
焼け焦げた柱や壁、天井がバラバラと降り掛かって来る!
「うわー!!!だっ誰か助けてー!!!!」
その時、目が覚める俺。
鳴っていたのは、目覚し時計だった。
目覚し時計を止め、トイレに駆け込む。
用を済ませ、呟いた。

「あ……死ぬかと思った」
その他
公開:21/07/09 08:26

杉本とらを( 東京 )

言葉遊びが好きで、褒めらると伸びるタイプです。
良かったら読んでやって下さい!

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