お見合い

両親に勧められたお見合い。何を話していいか分からない僕は「ご趣味は？」とテンプレートな質問をしてしまった。
プライベートに踏み込む内容故、実は意外と嫌われがちな質問。
しまった…と思っていると女性は「お茶を少々」と答えた。
お茶…お茶か。
「表ですか？裏ですか？」
僕の質問に目を輝かせる女性。
「裏です。もしかして、お茶を嗜まれているんですか？」
首を横に振る。
「茶道は少しかじったくらいで…僕はブレッ道を少々嗜んでいます」
「表ですか？裏ですか？」
今度は僕が目を輝かせた。
「裏です。ブレッ道、ご存知なんですか？」
「ええ、表のさくふわの出来上がりより、裏のもちしっとりの出来上がりの方が好みなので…私もブレッ道は少しかじったくらいです」
茶道とブレッ道。道は違えど、僕らは分かり合えた。
「もし良ければ、今度一緒に抹茶パンでも」
「ええ、一緒に作りましょう」