七桃

織姫が、天の川のほとりで彦星との年に１度の逢瀬を楽しんでいると、川上から大きな桃が流れてきました。
彦星が桃を拾ってくると、織姫は得意の手刀で真っ二つにしました。
すると中から、額から若干血が出ているものの、玉のような男の子が生まれたのです。
織姫は、その子をチャック・ノリスと名付け育てることにしました。彦星は養育費を送ることになりました。
月日は流れ、チャックは立派な青年に育ちました。
恵まれた体格と母親譲りの拳法で、天界一の剛の者となりました。
ある日、チャックが言いました。
「母上、僕はこの力を正義のために使いたいと思います」
織姫は言いました。
「それなら……」

「はい、彦星あ～ん」
「あ～ん」
織姫は、彦星と幸せな毎日を送っていました。
二人の仲を邪魔する者は、もはや誰もいませんでした。
そしてチャックは、新たな血を求めていずこかへ旅立ったということです。

めでたしめでたし。