ヒコ解禁
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「ヒコが来るぞ!」
星が波打つ天の川の下流を睨んだ。何万ものヒコが星しぶきをあげながら男のいる上流に向かって迫ってきた。
男は光る竹を夜空に向け、夜空の星を光で繋いで網を作った。そして光る竹で網を操り、光の網で一気に何万のヒコ達を捕らえた。網の中ではヒコがヒコヒコと暴れていた。
次の日。
その客は店頭に大量に並んだ干物を不思議そうに見ていた。
「いらっしゃい、年に一度の一夜干し。ヒコ干しだよ」
店員は足を握って、二枚に開かれたヒコを持ち上げた。客は眉をしかめた。
気がつけば、客の後ろに鬼姫達が行列を作っていた。皆、ヒコ干し狙いのようだ。
「兄さん、せっかくだから一枚持ってきな」
客は店員の投げたヒコ干しを後ろ手に受け取り、店を去った。
その夜。
天の川は静かだった。
「俺は、絶対織り姫に会ってやる」
イクラはヒコ干しを齧り、来年に備えて星屑の海へ飛び込んだ。
星が波打つ天の川の下流を睨んだ。何万ものヒコが星しぶきをあげながら男のいる上流に向かって迫ってきた。
男は光る竹を夜空に向け、夜空の星を光で繋いで網を作った。そして光る竹で網を操り、光の網で一気に何万のヒコ達を捕らえた。網の中ではヒコがヒコヒコと暴れていた。
次の日。
その客は店頭に大量に並んだ干物を不思議そうに見ていた。
「いらっしゃい、年に一度の一夜干し。ヒコ干しだよ」
店員は足を握って、二枚に開かれたヒコを持ち上げた。客は眉をしかめた。
気がつけば、客の後ろに鬼姫達が行列を作っていた。皆、ヒコ干し狙いのようだ。
「兄さん、せっかくだから一枚持ってきな」
客は店員の投げたヒコ干しを後ろ手に受け取り、店を去った。
その夜。
天の川は静かだった。
「俺は、絶対織り姫に会ってやる」
イクラはヒコ干しを齧り、来年に備えて星屑の海へ飛び込んだ。
ファンタジー
公開:21/07/05 21:00
更新:21/07/05 21:02
更新:21/07/05 21:02
七夕祭り
たらはかに
https://twitter.com/tarahakani
猫ショートショート入選 「猫いちご ・練乳味」
渋谷ショートショート入選 「スク・ラブラブ・ランブル交差点(哀)」とか。
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