天の川再開発

7月7日に雨が降ると、天の川が氾濫して、彦星と織姫は年に一度の再会のチャンスすら失うことになる。
それは余りにも可愛そうだと、橋を建設する事になり各星々から有志が集まり相談した。
使い捨て式簡易型にするか半永久型の頑強な橋にするか議論があったが、結局いつでも二人が会える様にと鉄筋コンクリートで造る事にした。
それには資材購入等には相当な資金が必要となり、クラウドファンディングを募集することにした。
この発想は古くより日本にもあり、源平の争乱で焼失した東大寺の大仏の修復や再建費用を集める為、
僧の重源は全国各地を回り信者や有志から寄付を募った。
無事に建設が終わると、寄付者は名前が寺に記される名誉を得た。

この様なシステムのお陰で天の川橋建設プロジェクトは目標額を得て、またたく間に完成された。
二人はいつでもデートが出来ると大喜び、天の川両岸に住む人々も交流や交易も進み益々の繁栄を得た。