天の川カフェ
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七夕飾りの短冊を眺めていたら、カフェから出てきた派手な二人組がこちらに歩いてくる。奇妙に着崩した浴衣姿の男女が短冊に願いを書いてくれたら、珈琲無料券をプレゼントすると言う。
水色の髪をした男が、私から受け取った短冊を笹に括り付けている。ピンク色の髪をした女が星空模様の爪で、無料券を渡してくれた。
「天の川カフェ? もしかしてその格好って織姫と彦星ですか?」
「そうなんです。商店街の七夕祭りに参加してるんです」
書店やパン屋の店員も似たような姿だった。
カフェの壁や天井は蒼く星が煌めいて、時折流れ星が落ちる。床には天の川が広がっていて落ちてしまいそうで少し怖い。
「天の川珈琲お待たせしました」
きめ細かいミルクの泡が珈琲の上でぱちぱちと弾けた。
「見せつけられてるみたいですよね」
「え?」
無料券につられたと笑う男が指さす先に、織姫と彦星が仲睦まじく皿を洗っているのが見えた。
水色の髪をした男が、私から受け取った短冊を笹に括り付けている。ピンク色の髪をした女が星空模様の爪で、無料券を渡してくれた。
「天の川カフェ? もしかしてその格好って織姫と彦星ですか?」
「そうなんです。商店街の七夕祭りに参加してるんです」
書店やパン屋の店員も似たような姿だった。
カフェの壁や天井は蒼く星が煌めいて、時折流れ星が落ちる。床には天の川が広がっていて落ちてしまいそうで少し怖い。
「天の川珈琲お待たせしました」
きめ細かいミルクの泡が珈琲の上でぱちぱちと弾けた。
「見せつけられてるみたいですよね」
「え?」
無料券につられたと笑う男が指さす先に、織姫と彦星が仲睦まじく皿を洗っているのが見えた。
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公開:21/07/05 00:31
七夕祭り
参加します!
射谷 友里(いてや ゆり)と申します
十年以上前に赤川仁洋さん運営のWeb総合文芸誌「文華」に同名で投稿していました。もう一度小説を書くことに挑戦したくなりこちらで修行中です。感想頂けると嬉しいです。宜しくお願いします。
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