しちがつななにち

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妻のため息で起こされ、食パンをかじって出勤。
上司に怒られ、取引先に頭を下げ、妻に鬱陶しがられて、眠って起きるとまた出勤。
それが社会人だ、と言われればそれまでだ。
しかし、カレンダーで初めて、もうすぐ七夕だと気づいたとき、自分で少し怖かった。
昔は、行事ごとは全て、一週間も前から楽しみに待ってるような子供だったのに。
はーっとついたため息は、喧騒の中に消えてった。
七月七日の夜、妻と子供の寝顔を確認すると、僕は窓辺に座り込んだ。
心地いい風に吹かれ、いつの間にかうつらうつらと…
目を覚ますと、僕は深い色の中にいた。
夜空だ。
ネイビーのベルベットに包まれているかのようだった。
もはや遠近感を感じない星たちは、今にも手が届きそうな場所で輝いていた。
ああ、やっと見つけた。僕の居場所。
『お眠り』
という囁きが聞こえた気がして、僕は安らかに横たわると、星たちの歌声に耳を傾けながら目を閉じた。
ファンタジー
公開:21/07/04 20:52
更新:21/07/04 21:03
七夕祭り 参加させていただきます!

かさ( 愛媛 )

来年以降のいきかたが決まりましたヽ(=´▽`=)ノ

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