地獄の扉

地獄の扉が開かれる。
ツンと鼻をつく臭いと、耳障りな音が、心臓をばくばく、ばくばくと跳ねさせる。

(どうして、なんで、いやだ、いやだ)

どうして、なんて。理由はわかっているのに。
私が悪いのだ。
誘惑に負け、怠惰に身を委ねた、私の自業自得なのだ。
それでも、(どうして)と思わずにいられない。

もしかしたら、なんて淡い希望を持ったりもした。けれど、それは結局逃避でしかなく、現実は甘くない。
ズキズキと痛む私の体がそれを証明しているのだから。

…一切の希望を捨てて、大人しく私の番を待つ。

「はい、次の方～」



「こりゃデカい虫歯だねぇ。神経抜かなきゃダメそうだ」
「ひゃい…」

神様、もう二度と夜中にお菓子を食べてそのまま寝落ちたりしないので。

どうか痛くしないでください！！！！