心こだまの山

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友人を訪ねいつも車だが、今日は山道の峠越えで歩く事にした。
かなり来たし、もうそろそろ麓に着くはずだ。
しかし、何かおかしな所で、怪しげな場所に迷い込んでしまったらしい。
人が居れば、聞いてみようと歩き続けた。

更に進むと道は狭くなり、樹や草が生い茂っていたが、やっと前方より人影が見えた。
「すみません、道に迷ってしまって、自分が何処に居るのか分からないのです。教えて頂けませんか」と尋ねると
「あなたがいる所はおかしな所で怪しい場所です」と、さっき自分が思った言葉が返って来た。
答えてくれた人は、どこか不思議な人だなァと思った途端、「私はあなたから見ると不思議な人かも知れませんが、
私もあなたを不思議な人だと思っています」と言った。

更に「私と出会った事も、この場所の事も一切思い出さずにひたすら行きなさい。万一思い出せば、あなたは又この場所に戻って来てしまいますよ」とニヤリと笑った。
ミステリー・推理
公開:21/06/30 13:44

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